八王子市は子どもたちのパラ観戦動員やめて


八王子市は
子どもたちのパラ観戦動員やめて

 都のモニタリング会議が「感染状況は制御不能」で「災害級」の「非常事態」だと言っているのに、国も都もまったく無謀な子どものパラリンピック観戦を強行しようとしています。その中で、八王子市は、「希望する学校を支援する」という形で、あくまで実施しようとしています。中止させましょう。

■みんな中止してるのに、なぜ!?

●東京都は8月18日に8自治体、約13万人が参加予定と発表しましたが、24日には4自治体、約2万人まで減りました。23校、2千人が参加希望としていた都立の学校も、6校、489人に減りました。
●当然にも多くの自治体が「観戦」中止を決定しているのに、多摩地域では八王子市だけが中止していません。萩生田文科大臣の地元だから? まるで戦時中の学徒動員です。
●7月に五輪観戦動員を中止したときから、何か一つでも事態が好転したというのなら、説明してください。感染者は6倍以上、しかも、子どもの感染が拡大しているのです! 子どもたちを危険にさらす観戦計画はいますぐやめてください。

■都の教育委員4人全員の反対を押し切る違法

●東京都教育委員会では、山口香氏ら4人の出席教育委員全員がパラ観戦に反対。にもかかわらず教育長はこれを無視して、小池知事の意向で観戦計画の強行を決定。教育長の独断で議決を行わないのは完全な法律違反で、ありえない暴挙です。
●小池知事は一方で「修学旅行は中止しろ」と言いながら、「パラ観戦は教育だからやる」と。言っていることが支離滅裂です。
●八王子市は「参加するしないは学校の判断。観戦する学校は支援する」と学校判断を強調し、事故の責任も現場に押しつけようとしています。市が責任をもって中止を決断すべきです。

■パラリンピック開催そのものに反対!!

●医療が崩壊し、東京都医師会尾崎会長も「このような状況ではパラ開催は無理」と言っています。
●菅首相や小池知事は、パラ観戦は「共生社会に向けた教育的効果」があると言っています。しかし、「共生社会の実現」は、普段の教育現場で行うべきものです。
●パラ関係者もすでに100人以上が感染。選手も危険にさらすパラリンピックはいますぐ中止を!



私たちは8月23日、八王子市に申し入れを行いました。以下は、要望書の要旨です。

2021年8月23日

八王子市教育委員会 教育⾧ 安間英潮殿

三多摩労働組合交流センター

要請書(一部省略)

 パラリンピックにおける「学校連携観戦プログラム」の実施を直ちに中止し、園児・児童・生徒の動員をやめることを強く求めます。

 新型コロナ感染症が、「緊急事態宣言」下で強行されたオリンピックを引き金として爆発的に拡大しているさなかにあって、子どもたちの命を危険にさらす「学校連携観戦プログラム」の強行は、無謀極まりないものです。
 東京では、コロナの新規感染者数が連日過去最多を更新しています。感染しても10人に1人も入院できず、多くの方が自宅で亡くなっています。都のモニタリング会議では「感染爆発は制御不能。災害レベルの非常事態」「医療提供体制は深刻な機能不全」と報告されています。この状況で再び医師・看護師を動員し、パラリンピックを開催すること自体、そもそもありえません。
 その上で、学校連携観戦を実施することの犯罪性です。オリンピックでは無観客で中止を決めたものを、その時をはるかに上回る感染爆発が起きているときになぜやるのか。また、子ども以外は危険性を踏まえて無観客としたものを、なぜ子どもだけ観戦させるのか。菅首相も小池知事もまったく説明していません。
 周知のとおり、いま、子どもの感染が急速に広がっています。学校や学習塾、保育園、また、アイスホッケーや全国高校野球。様々な場面で子どものクラスター感染が相次いでいます。
 さらに、「自宅療養」の激増で家庭内感染が広がり、一家で自宅療養となるケースも増えています。子どもたちが、パラ観戦によって新型コロナに感染し、子ども自身やその家族が重症に陥ったり後遺症を抱えたとき、いったい、誰がその責任をとるのでしょうか。

 また、菅首相や小池知事は、子どもたちのオリパラ観戦について「共生社会の実現に向けた教育的意味が大きい」と語っています。しかし、パラリンピックは、「共生社会の実現」という宣伝とは逆に、第二次世界大戦中の負傷兵のリハビリに起源を持ち、負傷兵の一部を「障害を乗り越えた国民的ヒーロー」として兵士を鼓舞し、国民を戦争にかりたてる戦争遂行システムとして確立されたものです。
 菅首相や小池知事は、「障害を乗り越えた、限界に挑戦する」パラアスリートを見ることが子どもたちに「気づき」を与える、「教育的意味」があると言いますが、「障害を乗り越えた」ことを強調し、そこに向かって努力するのが障害者のあるべき姿、学ぶべき姿であるかのような見方は、様々な障害を持ちながら生きている多くの障害者を「障害を乗り越えられない」者、努力不足と決めつけるものです。障害者を「障害を乗り越えた者」とそうでない者、国家に貢献できる者とそうでない者に振り分け、前者だけを学べ、価値があるとするのがパラリンピックです。それは共生社会の実現どころか差別と分断をつくりだすものです。障害者への差別や隔離、優性思想にもとづくこの国の政策を押し隠すものであり、教育の場に優勝劣敗の競争原理、差別と分断を持ち込むものです。その行き着く先は学徒動員です。だから、絶対に反対です。

 すでにほとんどの自治体が中止を決定しています。八王子市教育委員会も、オリンピック以上に無謀かつ無責任極まりないパラリンピックを中止する立場に立ち、子どもたちの命を奪う「学校連携観戦プログラム」をただちに中止してください。

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