根岸病院分会NEWS 第6号

https://drive.google.com/file/d/0B4d9Rtjp0SVBS0V4WHhPRHdzWU0/view?usp=sharing


病棟再編に異議あり!
このままでは事故が起きてしまう

★労働強化を許さず、組合に加入し闘おう!

 働く仲間の皆さんに訴えます。病棟再編が始まり数カ月が経過し、私たちの職場環境は大きく変わったのではないでしょうか? 入院患者は増加の一方で、ほぼ全ての病棟は満床に近い状況です。労働組合としては、労働強化が進み、職場・患者の安全が維持されているのか、危惧を抱かざるを得ない状況と考えます。多摩連帯ユニオン根岸病院分会は病棟再編に異議を唱え、まずはA2病棟の保護室増設に対する団体交渉を申し入れてきました(5月2日の団交報告は最後に掲載)。
 A2病棟の保護室増設は保護室が2床増え、保護室9床と準保護室2床で 11 床体制となり、6 月中旬から稼働開始となりました。明らかに労働の密度は高くなり、ベッドコントロールは無理を重ねている状態です。経営者は、病棟の現状を把握しているでしょうか? 急性期の入院患者が次々と入院し、措置入院にも対処し、症状の安定しない患者さんが多数存在するときもあり、一人一人の患者さんに対する充分なケアも確保できない中で、労働組合としては「このままでは事故が起きてしまう」と、危機感を持つに至っています。
 組合は労働強化を許さず、人員増をはじめ十分な体制を確保するために、正規・非正規問わず労働組合に加入し共に闘うことを呼びかけます。「医療事故をタブーとせず積極的に討論できる」組合をつくりだしたい。このことを労働者の皆さんに訴えるにあたり、根岸病院分会・分会長である徳永の経験を以下に記します。

★徳永分会長の事故の経験より

夜勤で事故に直面


 私は、2011年4月上旬の夜勤勤務中に、B5病棟ホールにおいて朝食の目前に事故に直面しました。当時、B5病棟は介助者も多く、午前5時を過ぎると、最後のオムツ交換を行い、順次車椅子に乗車させ、ホールに移動させていきました。私は高齢の女性患者(Aさん)を車椅子に乗せたが、普段から座位がうまく保てない状態で前屈となり、まだ眠気も残っている状態であったので、体交枕を大腿の上に立たせて置き、座位を保てる状況にしてホールに残していきました。そして朝食前の配薬を訪室しながら行っている最中に早番のスタッフから事故の一報が届きました。駆けつけると、Aさんは前屈の状況で体交枕に顔面がうずまり窒息状態となりチアノーゼで発見しました。即座に看室に移動し、当直医・師長を呼び、ルート確保・酸素吸入・心マを施行し、一命は取り留めたものの、植物状態に陥るケースとなった事故でした。

医療事故をめぐり討論会

 私は以後、スタッフと共にAさんの看護に全力であたり、同時に「なぜ事故となったのか?」と真剣に考えました。当時、私は根岸病院労組内での路線論争の末に「除名処分」(10年10月)となっている状況で、私は後に所属することになる多摩連帯ユニオンの仲間たちに相談しました。そこで浮かび上がってきたことは、「事故直前の3月に病棟異動し、人手不足の中で、異動して1ヶ月も経たないうちに夜勤に入り、事故当日は2回目の夜勤であったこと」「事故当時は、3・11震災-原発事故の直後で病院全体も緊迫していたこと」を話し合いました。そこで「医療労働者にとって事故と無関係な人はいない」と方向性を導き、積極的に病院内での討論することに決めたのです。
 そこから私は病棟内で事故問題についての討論会を呼びかけ、病院での学習会でも問題提起し、また根岸病院労組へも討論会への参加を要請しました。討論会は2回開催し、多くの同僚たちが集まり、労組執行部も参加しての討論となりました。その討論で得たものは「事故は医療労働者にとって切実な問題で、誰しもがなんとかしたい」と思っていることでした。そして「人手不足が問題だ。病院の営利優先の経営が問題」「派遣労働者の首切りは(10年11年と大量雇い止めを強行)おかしい」の意見が出されました。その討論の中から、私は看護部長に対して「病棟異動直後の夜勤について1カ月は行わない」などの改善項目をまとめて提出しました。要請書に対する回答はなされませんでしたが、この事故をめぐる討論会で得たものは大きく、根岸病院で働く皆さんと共有できればと思い、ここに記しました。

医療事故と向き合う組合を

 そして私は「医療事故と労働条件悪化は不可分一体の問題である」という思いに至り、医療事故に積極的に闘えない根岸病院労組ではなく、闘う労働組合が必要であるとの一念から2014年10月に新たに多摩連帯ユニオン根岸病院分
会を立ち上げました。
 多摩連帯ユニオン根岸病院分会は、働きやすくなる職場を作りだすため闘っていきます。





A2病棟再編問題について団交開催(5月2日)

団交拒否はね返し団交実現

 労働組合は昨年の11月以来、A2病棟再編=保護室増設についての団体交渉を申し入れてきました。しかし以来、経営は団交ルールの策定なく団交はできないとして、団交開催を拒み続けてきましたが、不当な妨害をはね返して5月2日に団体交渉開催を実現しました。経営側は斉藤事務長と池田事務次長の2名、多摩連帯ユニオンは徳永分会長をはじめ6名が参加しての団交となりました。

保護室増設は安全問題に直結

 冒頭、池田事務次長から「なぜ病棟の改修が団交議題になるのか?」「今回の改修には3つの目的がある。①緊急的な入院に対応しなければならない。②男性女性部屋が一杯で入れない場合がある。よって個室として使える部屋を確保したい。③緊急事態が(患者の症状悪化)生じる時がある。その時に個室を使用する。」と説明。組合側からは「今回の再編は、保護室の増設であり、それは労働強化につながるし、夜勤においても二人体制で保護室が全部埋まることを想定しても安全対策から問題があると、だから人員の問題であるし、労働条件の不利益変更として団交議題として取り扱うべき」と反論。

残業は発生しない―斉藤事務長

 斉藤事務長からは、「労働の負荷がかかるかは、病棟長の判断も必要で、病棟長と話してもらいたい」と、人員の確保は病棟長の判断として、労働組合との交渉を軽視し、自らの経営責任を放棄する有様です。団交の議題として進めるべきの主張には、「残業が増えたかどうかの事実が必要。(6 床から 2 床のベッドに減ったのだから)残業はないと考えている。団交するならば、何が問題なのかをクリアにしてほしい」と。組合側は追及を続け、今回の決着点は「議題が整理されれば、再度団交を行う」ことで労使の合意をとりつけ終了しました。

職場をまわしているのは労働者


 経営側の説明には全く誠意はありません。池田氏が説明した 3 つの目的はすべて、A2病棟の労働者がこれまでも無理してでも患者を受け入れるためにベッドを調整して行ってきたことです。経営が言いたいことは、ベッド数まで減らしたのだから、人員も増やす必要はないし、残業も発生しないから、文句も言わずに、重症患者も入院患者も全て受け入れろということです。入院患者は単なる数ではなく、それぞれが症状も違うし、重症度も違う、合併症がある場合もあり、ベッド数が減るかどうかが本質ではないのです。
 他の精神病院でも医療費削減のためにベッド数を減らし急性期ベッドを増設する動きが始まっています。根岸だけの問題ではありません。労働組合は今回の病棟再編を労働強化・合理化攻撃として追求し、団交をさらに要求し、職場の団結をつくりだしていきます。
 事実、A2病棟では残業は発生し、他の病棟も満床に近い状況の中で、労働強化がはかられていることは間違いありません。「このままでは事故が起きる」と、労働環境を変えなければならないと、労働組合は闘います。病棟再編について、ぜひとも組合に労働者の皆さんから意見を寄せてください。ともに闘いましょう!

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